指静脈認証対応のICキャッシュカードで貸金庫が使える。
ATM機のみならず貸金庫でも、セキュリティと利便性を両立
2005年に株式会社京都銀行(以下、京都銀行)は、指静脈認証によるICキャッシュカードのサービスを開始し、すでに全ATM機の3分の1以上をIC キャッシュカード対応機とした。さらに2006年5月には、貸金庫にも指静脈認証を適用。しかも、ATM機で使えるICキャッシュカードで、貸金庫も利用できるようにして、セキュリティと利便性の両立を実現した。日立オムロンターミナルソリューションズは、指静脈認証装置、静脈パターン登録装置などのハードウェア提供のみならず、貸金庫システム・メーカーとの連携に基づくシステム開発など、業界の壁を超えた取り組みまで行って、京都銀行の果敢なチャレンジを支えている。
2005年11月、京都銀行は、指静脈認証によるICキャッシュカードのサービスを開始した。 その後の展開もすばやい。
指静脈認証対応のATM機は、有人店舗約130店への設置が、サービス開始の4ヵ月後である2006年3月時点ですでに完了。無人店舗へも、約20ヵ所まで導入が進んだ。
どの店へ行っても指静脈認証対応のATM機があるということは、安全性の高いサービスを気軽に利用できるということである。このセキュリティと利便性を両立させた取り組みは、預金者から絶大な支持を得た。従来の磁気カード式キャッシュカードから指静脈認証によるICキャッシュカードへの切り替えは急ピッチで進んでおり、2006年中に総発行枚数が10万枚を超える勢いである。
「わずか1年ほどで10万枚も普及させることができたのは、使いやすく、なじみやすい『指』だからこその成果。指静脈による認証技術を選んでよかった」と斎藤氏は語る。
京都銀行は各種の生体認証技術を慎重に比較検討したうえで、認証時間が速い、識別精度が高い、ATMにセットする機器がコンパクトである、スマートで使いやすいといった特長を備えた指静脈認証システムを選択した。

株式会社 京都銀行
理事 事務部長
斎藤 一雄氏
「お客さまの立場に立ち、お客さまの目線で考えれば、セキュリティはそれだけで成り立つものではなく、利便性との両立が大切であることは明らか。お客さまの使いやすさを基準に考えて、指静脈認証を選びました」と橋本氏は説明する。
また、京都銀行は、2005年にスタートした新第2次中期経営計画「ScaleU」で、「成長への挑戦とリスク管理の向上」をテーマに掲げている。指静脈認証技術の導入は、顧客サービスを高度化させるためのチャレンジと鉄壁の守りを両立させることができたという意味で、中期経営計画の精神を具現化したものであるともいえる。
そして、指静脈認証装置、窓口用の静脈パターン登録装置などの機器導入を担ったのが、日立オムロンターミナルソリューションズである。
「短い間に、300台以上のATM機を切り替えられたのは、日立オムロンターミナルソリューションズが尽力してくれたおかげ」と斎藤氏は言う。さらに橋本氏は、「2006年5月に滋賀県でオープンした彦根支店では、初日からICキャッシュカードの申し込みが殺到しました。しかし、日立オムロンターミナルソリューションズが、静脈パターン登録装置を一時的に多くそろえるなど、的確なサポートをしてくれたおかげで乗り切ることができました」と語った。

株式会社 京都銀行
事務部 次長
橋本 正和氏
2006年5月にオープンした彦根支店では、指静脈認証によるATM機利用だけでなく、指静脈認証による貸金庫サービスも初めて登場した。
従来の貸金庫サービスは、貸金庫専用カード、暗証番号、金庫のカギという3点セットで提供してきた。しかし、カード、カギ、暗証番号のいずれも、盗まれる危険をゼロにすることはできない。そこで、利用者をより確実に守るために、指静脈認証の適用を決断したのである。
しかも京都銀行は、ATM機で使っているICキャッシュカードで貸金庫サービスが利用できるようにした。利用者は、貸金庫専用カードを別途に管理する必要がなくなり、貸金庫サービスを利用しやすくなる。ここでも、利用者の立場に立って、セキュリティと利便性の両立を追求したのである。
静脈認証と全自動貸金庫システムがシステム連携しているのも重要なポイントである。利用者がICキャッシュカードを挿入し、指静脈で認証を行うと、どの部屋へ入ればよいかをシステムが自動的に指示してくれ、その部屋へ利用者の貸金庫を搬送する。入室や搬送に人が介在しないため、操作ミスや不正が起きる危険がなく、セキュリティレベルは格段に向上した。
「これまでは、貸金庫システムの業界とATM機関連の業界は完全に別であり、たがいに交流はありませんでした。ICキャッシュカードと貸金庫システムを連動させるには、貸金庫システムのメーカーにも、ATM機関連のメーカーにも、発想を変えてもらわなければなりません。社内には『実現は不可能ではないか』という意見もあったほどです」と岡本氏は明かす。

株式会社 京都銀行
事務部 調査役
岡本 紳嗣氏
業界の壁を乗り越えることができたのは、柏原康夫頭取を筆頭に、京都銀行の経営トップが、セキュリティと利便性の両立を最優先に考えるという方針を明確に打ち出していたからだ。京都銀行の強い意向に対応して、日立オムロンターミナルソリューションズは、全自動貸金庫システムのメーカーと密接に連携しながら、システム開発に取り組んだ。
「指静脈認証でやるということを決めてから、サービス開始までわずか5ヵ月。しかも、まだ世の中にないシステムを作るのですから、間に合うかどうか大変心配しました。けれども、きちんと彦根店のオープンに間に合わせて、新店舗への注目度を高めることに貢献してくれました」と岡本氏は日立オムロンターミナルソリューションズの総合力を評価する。
《 全自動貸金庫システム 》
京都銀行は、全自動貸金庫システムを、14店に導入している。現在はそのうちの4ヵ所が、ICキャッシュカード対応になっており、これから順次拡大する予定だ。また、ATM機、貸金庫にとどまらず、指静脈認証の利用を多方面で検討していく方針である。
「セキュリティに強い。これが京都銀行の特長です。これからもセキュリティは、さまざまな形で強化していかなければなりません。日立オムロンターミナルソリューションズには、ビジネス・パートナーとして、さらに大きな視点からのトータルソリューション提案を期待します」と斎藤氏は語った。
| USER PROFILE(平成18年9月30日現在) |
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●株式会社京都銀行 ●www.kyotobank.co.jp ●本店:京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700番地 ●創立:1941年10月1日 ●資本金:335億円 ●従業員数:2,888名 ●近畿2府3県に店舗を展開する「広域型地方銀行戦略」で注目される地銀。地域をともに歩むリテール銀行の王道を歩んで、全国有数の健全経営を誇る。「ながーいおつきあい」、「飾らない銀行」がコーポレートステイトメント。 |